新聞記事

過労死遺族と和解
TOTO子会社執務環境配慮を盛る

 TOTOの子会社・東陶インフォム(北九州市小倉北区)に勤務していた男性(当時42)が過労死し,熊本市に住む遺族4人が同社を相手取り,約2億円の損害賠償を求めた訴訟が22日,地裁小倉支部(杉本正樹裁判長)で和解した。 同社が原告に対し,遺憾の意を示したうえで,約6千万円の解決金を支払うことで合意した。
 訴状などによると,男性は94年1月,管理職として入社。 システム開発などを担当したが,死亡1カ月前の時間外労働が100時間を超えるなど長期の過重業務を強いられたうえ,上司のしっせきを受けて精神的にも追い込まれ,98年5月,くも膜下出血で亡くなった。 その後,北九州東労働基準監督署が02年3月,過労死による労災と認定している。
 和解では,原告側の要望で,同社が今後,従業員の健康などの執務環境について最大限配慮する点なども盛り込まれた。 男性の妻(44)は「支援して下さった方々に感謝したい。 夫には,すべて終わったよと伝えたい」と話している。
(04/04/23:朝日新聞・朝刊)


過労死訴訟
6000万円で和解

TOTO子会社

 コンピュータソフトウエア開発の「東陶インフォム」(本社・北九州市小倉北区)に勤務し,過労死と労災認定された男性社員(死亡時42歳)の遺族が同社を相手取り,約2億円の損害賠償を求めた訴訟の和解協議が二十二日,福岡地裁小倉支部(杉本正樹裁判長)で行われた。 同社が遺族に遺憾の意を示し,再発防止に取り組むとしたうで,和解金6000万円を支払うことで和解が成立した。
 訴えていたのは熊本市在住の男性の妻(44)と三人の子供。 同社は衛生陶器メーカー「TOTO」(本社・小倉北区)の子会社。
 訴状によると,男性は一九九四年から死亡した九八年五月まで,東陶インフォムの前身「東陶情報システム」でソフト開発などを担当。 この間,約三か月平均の残業時間が月七十時間を超え,休日出勤を繰り返した。 上司から毎日,激しくしっ責されたりしたため,自宅で倒れ,くも膜下出欠で死亡した。
(04/04/22:読売新聞・夕刊)


TOTO子会社
過労死遺族と和解

6000万円支払い

 住宅設備機器メーカーTOTOの子会社,東陶インフォム(北九州市小倉北区,村上守峰社長)で過労死と労災認定された男性従業員(当時42歳)の遺族が,同社に約2億円の損害賠償を求めた訴訟が22日,会社側が遺憾の意を表明して6000万円を支払うことで福岡地裁小倉支部で和解が成立した。
 和解調書は過労しの原因には触れていないが,会社が「労災認定される疾病で旧逝されたことに追悼と遺憾の意を表す」とした。 さらに「従業員の健康,生命が損なわれないよう執務環境について最大限配慮する」との文言も盛り込まれた。
 遺族側は「和解調書を墓前に供えることができ,よかった」,会社側は「引き続き業務管理は細心の注意を払って徹底したい」とそれぞれコメントした。
(04/04/22:毎日新聞・夕刊)


過労死認定男性の遺族
TOTO子会社を賠償提訴

 TOTOの子会社・東陶インフォム(北九州市小倉北区)に勤めていた男性(当時42)が過労死し,熊本市に住む遺族4人が約2億円の損害賠償を同社に求めている問題で,代理人の弁護士は3日,福岡地裁小倉支部で提訴の手続きを取った。 原告である妻(42)を支援する集会も夜開かれた。
 小倉北区内で開かれた集会には支援者約90人が参加。 弁護士が提訴に至るまでの経緯などを説明した。
 男性は94年1月に課長として入社。長期間の過重労働や上司の中傷などで精神的に追い込まれ,会社の適切な対応のないまま98年5月,くも膜下出血で死亡した。 北九州東労働基準監督署は今年3月,過労死による労災と認定。遺族補償年金約1265万円が妻と子ども3人に支払われた。
 妻によると,男性は「労働時間が長く,睡眠時間がない」とよくこぼしていた。 「きょうはどうだった」と尋ねると,「きょうは生き延びた」とつらそうに答えることもあった。 妻は「私にはどうすることもできなかった」と苦しそうに当時を振り返った。
(02/10/4:朝日新聞・朝刊)