「日本のうたごえ」とは?

 「うたごえ喫茶」をご存知ですか? 「がんばろう」の歌を聞いたことはありませんか?

 どちらも,「日本うたごえ」が生み出したものです。
 戦争が終わって,平和を求めていた人々が,物の無い戦後に,特別な道具もいらず,特別な才能も必要としない音楽運動を生み出しました。それが「日本のうたごえ」です。
 戦争で味わった大きな苦しみ,肉親や身近な人を失った悲しみ。平和を望む人々の歌う歌は,平和と自由を求める日本の大多数の人々の声でもありました。
 そこから生まれた二つのスローガン,「歌は闘いとともに」「うたごえは平和の力」は,戦後の激動を生きた人々の願いでもありました。

 時代は変わり,今の日本は音楽が満ちあふれています。しかし,本当にそれは私たちの心の訴えでしょうか? 毎年世に出る多数の歌。百万枚単位で売られるCD。でも,1年後に残り,人々に歌われる歌はごくわずかです。
 私の心からあなたの心に届く歌を。私たちの歌は,それを目指しています。

「日本のうたごえ」とは?

 日本のうたごえ運動は、合唱を主体としたサークル活動を基盤とする大衆的で民主的な音楽運動であり、内外の優れた音楽遺産を引きつぎ、専門家および大衆的創作活動と結び協力して、平和で健康なうたを全国民に普及することを目的とします。

 日本のうたごえ運動を全国的に統一してすすめるため、サークル連絡協議会である日本のうたごえ全国協議会をつくっています。

「日本のうたごえ」とは?

●うたごえ運動50年の歩みとは

 戦後の民衆の平和と民主主義、しあわせを求める要求や行動、たたかいが大きくたちあがる中で、1948年2月10日、関鑑子の指導のもとに中央合唱団が創立したことを出発点として、うたごえ運動ははじまりました。
 うたごえ運動は、美しい日本民族のうた、世界諸国民の平和のうた、人々の生活とたたかいを3つの創造の源泉として活動してきました。また、「みんなうたう会」をはじめさまざまな場での普及活動、うたごえサークルをつくることを基本とする組織活動も明確にして精力的にひろめてきました。世界7カ国語でうたいひろめられた「原爆許すまじ」は、うたごえ運動が世界に向けて広がる大きな力になりました。60年安保条約反対、働くもののたたかいと連帯がひとつになり国中にひろがり、以来うたいつがれている「がんばろう」のうた。沖縄返還闘争の中での「沖縄を返せ」のうた。このようにうたごえ運動は、一貫して平和運動や労働運動と結びつきながら全国にひろがり、国民的な音楽運動として内外の注目を集めるものに発展しました。そして60年の三池・安保大闘争の中での活動を大きな飛躍として、60年代半ばにはその規模は最大のもの(日本のうたごえ祭典に5万人)となり、運動20周年(1968年)には歌劇「沖縄」の制作・上演運動を起こすまでに至りました。


●歌劇「沖縄」からひろがった70年代

 1970年と72年に、沖縄返還の国民的悲願をテーマにした歌劇「沖縄」は全国で60ステージ10数万人を集める大成功をかちとり、うたごえ20年の頂点をつくる運動となりました。同時に、現実の国民的音楽状況とその要求の変化に対応するための努力が行われ、70年代の運動へとひきつがれていきました。
 70年代に入ると、合唱劇、ミュージカル、大合唱曲、器楽曲などの大型の作品が運動内からうみだされてくるようになり、同時に、大衆的な生活とたたかいのうたが次々と創られ、多くの書き手と作り手が育ってきました。
 こうした最中、73年5月、メーデー壇上で指揮者、関鑑子は60万の労働者の「世界をつなげ花の輪に」の大合唱に看取られながら他界しました。
 70年代には、革新自治体がつぎつぎと生まれていき、ベトナムがアメリカに勝利するという中で、それらのたたかいと結びつきながらうたごえ運動はすすんでいきました。


●裾野をひろげてきた80年代、90年代

 80年代に入り、反核・平和の草の根運動と呼応し、「反核日本の音楽家たち」と連携し、年間200カ所以上の反核・平和コンサートを開催しています。
 また、戦争の悲惨さを告発し、平和への願いを躍動的な子どもの声に乗せてうたいあげた、合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」は86年の初演以来10年以上歌いつがれ、そこにうたって参加する人は10万人をこえ、観客は100万人を越えるまでに至っています。
 そして現在、平和を求める運動と結びあいながら、女性、障害者・福祉、青年、労働者、教育、市民運動など、国民のあらゆる要求にこたえる運動として歴史をつみあげさらに発展させようとしています。
 21世紀を迎えようとしている今「核も基地もない21世紀に、自由と平和のうたごえを大きく響かせよう」を合言葉に、50周年記念祭典を柱に50周年運動にとりくんでいます。
 ひとりひとりのいのちが輝き、音楽が豊かに広がり生きる力になっていく、核兵器のない21世紀をめざし豊かな文化の力が世界の人びとの連帯の絆になるような、うたごえの未来をめざしたいと願っています。



うたごえ新聞とは?
(うたごえ新聞社のホームページから転記)

うたごえ発 音楽・文化 感動を伝えるジャーナル
週刊「うたごえ新聞」

 週刊の音楽新聞「うたごえ新聞」は、今年創立50周年を迎えた日本のうたごえ運動の機関紙として、1955年に創刊されました。
 ”うたごえは平和の力” ”うたはたたかいとともに”をスローガンに全国で活動する合唱サークル、合唱団をつなぐ機関紙として旬刊でスタートした後、週刊となり、うたごえ運動の機関紙であると同時に、広く音楽・文化情報紙としての内容を満載して、今日に至っています。また、多彩な専門家の方々のご協力を得て、どなたにも親しんで読んでいただける新聞です。
 1998年11月23日号で1686号を数えます。

☆主な企画
◆全国の合唱団の活動、練習風景、作品、音楽会案内

◆楽譜紹介/音楽会評

◆全国の和太鼓サークル紹介 ”イキイキ和太鼓らいふ”

◆ず〜むあっぷ人・音楽=音楽界の動き

◆音楽時評「ミュージック・トゥディ」「芸能マンスリー」

◆各界で活躍の方々に登場していただく”ときめきインタビュー”には、今年も五十嵐喜芳(藤原歌劇団音楽監督)、田月仙(オペラ歌手)、辻正行(日本合唱指揮者協会理事長)、新実徳英(作曲家)、長谷川陽子(チェリスト)などなど

◆200回を越える毎週連載
好評のエッセー 池辺晋一郎氏の「空を見てますか」

タブロイド8ページ 月615円

季刊発行の 季刊「日本のうたごえ」もあります

●お問い合わせ・お申し込み先
うたごえ新聞・北九州分局
 (北九州青い空合唱団内)
 
 または,
うたごえ新聞社
 〒169−0072新宿区大久保2−16−36
 TEL03−3209−0638(代)
 FAX03−3200−0105


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「日本のうたごえ」全国協議会ホームページからの転記