歌劇「沖縄」

 第二次世界大戦で大きな犠牲を払った沖縄。沖縄本土から舟で40分、さんご礁の海に浮かぶ小さな島、伊江島でも3500名が死に、生き残った者も収容所に入れられた。 戦後2年、帰島を許された島民たちは、荒れ果てた土地を血と汗で耕しなおす。 しかし、やっと平和が訪れたかに見えた1955年3月11日朝、突然上陸してきた米兵300名によって、畑はブトーザーで押しつぶされ、家は焼かれ、伊江島の60パーセントが米軍基地に強制収用されてしまった。 歌劇「沖縄」は、この伊江島の1955年から11年間にわたる土地返還闘争をえがいたものである。
 1966年うたごえ代表団が沖縄行った際、伊江島で、この土地返還のための「陳情口説行脚」の話を聞き、これを歌劇にできないかと考え始めたことがきっかけとなり、日本のうたごえ運動創立20周年の記念行事の一つとして、歌劇「沖縄」の製作が決まり、運動内外の専門家の協力・援助のもと、3年をかけて完成。 1969年12月、東京渋谷公会堂で初演、1970年には第1次公演として24都道府県で31回、1972年に改作され第2次公演として全国32回の公演を成功裡に終了。 今回は、そのなかから「女声合唱と終幕の合唱・終幕の大合唱」を演奏する。 福岡での演奏は1972年以来となる。


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