「2004福岡県のうたごえフェスティバルin北九州・合唱発表交流会」に参加して
  渡辺聿子(北九州青い空合唱団)

 「合唱発表交流会の参加団体を地域からたくさん掘り起こそう」-―実行委員会の提起に、私は心ひそかに二つの初登場を願った。
 一つは運営委員として関わっている地域の「ケアワーカーズステーション」のヘルパーさんたちが、五周年記念に創った『笑顔の花』(作詞ケアステーション帆柱・作曲山田敏夫)という介護の仕事から生まれた歌。
 もう一つは、一昨年の「全国うたごえ祭典in福岡」を契機に生まれた小さなサークル『教職員のうたごえ』。 「県うた」のステージに、はじめて教職員が立ち『教育基本法の歌』(作曲藤村記一郎)を歌う…想いはふくらみ、紆余曲折の末「2004福岡県のうたごえフェスティバルin北九州」へ。 ステージ三番目に、おそろいのピンクのユニホームに身を包んだ20人あまりのへルーパーさんと車椅子や杖で6人の高齢の利用者さんが登場。 『笑顔の花』は心をつなぐ歌になった。 終わりから三番目には、私たち退職教員も含む9人の教員を囲み、運動会で参加できない先生たちのため応援出演をしてくれた合唱団の仲間たちと『教育基本法の歌』を誇り高く歌ったのだった。 こうして26団体が次々と演奏発表した「合唱発表交流会」。
 常日頃から研鑽を重ね実績実力ある合唱団はもちろん、県下各地で根を張りさまざまな活動をしている団体やグループ。次々とステージに登場するその存在は、私たちが生きて暮らしている足元の地下水脈として、脈々とつなぎ合わさっているに違いない。青年たちの活躍も目立った。 みずみずしい活力が、会場の響ホールに満ちていくのを感じた。
 翌日、若い友人から電話。「渡辺さん、歌う姿可愛らしかったよ。芭蕉布のとき、ズボンの裾がかたっぽ上がっていたとこなんかとっても…」えー、ほんとー。友は絶句する私を慰めんと「いや、ちょっとだけよ。」と付け足した。 ああ、あのすばらしい一日の唯一の汚点は長さの違うズボンの裾。 全国の仲間の皆さん、ステージ前にはズボンのすそにお気をつけくださいまし。



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